Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜

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『ハァ・・・ハァ。』

ここは・・・どこ?
辺りを見渡しても霧しかなくてよく見えなかったけど、青い髪のボロボロの服を着た少女が何かから逃げるように走っている姿は見えた。
あれはポスター・・・?あの子が載ってる。
『汚れた少女を探せ・・・?賞金十万ウィルですって?』
怒ってるの・・・?
『こんなもの・・・っ!!私は汚れてなんかないのに・・・っ。』
青い髪のオオカミ少女はそのポスターを見るなりビリビリに破り捨て、泣きながらまた走り出した。
・・・・なんか、悲しい子だな。どこに行くんだろう?
・・・あれ??
突然目の前が真っ白くなったかと思ってたら、今度は研究所らしき建物の前で優しそうなずきん族のおじさん二人がさっきの少女と話していた。
『そうか・・・、ここは君のお母さんの研究所だから好きにするといい。』
『はいっ!!』
わぁ・・・!可愛い笑顔、本当に嬉しそう。でも私の目がおかしいのか、おじさん達は余り笑ってないように見える・・・。
また場面が変わり視界が真っ黒になったと思うと今度は研究室が見えた。多分ここはあの建物の中なんだと思う。
やっぱりこれは夢なんだ・・・。
『・・・・っ!』
するとドアの前で立ち聞きしてる青い髪の少女が見えた。
あれは、あの時の少女だよね?なんか少し髪も背も伸びてる・・・。
『やっぱりポスターに載ってる子だったか。』
『どうします?』
若い方の男が問うと、あのおじさんは不気味な笑みを浮かべた。
『引き渡すに決まってるじゃないか。』
『そう言うと思って呼んどきましたよ。明日には来るそうです。』
呼ぶって誰を?ポスターにあの子・・・?
まさか、あの少女が載ってたポスターのこと!?
『まぁあの子の母親も死んで本当に良かったよ。』
『アンソン博士よりも優れてましたからねぇ。上の人からも期待の星だったみたいでしたから・・・。』
『たかがオオカミのくせにっ!』
・・・・っ!
なんてひどいことを・・・。
ドア越しに立っていたあの少女を見てみると、彼女は・・・無表情で涙を流していた。
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