Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
「助けてっ!!」
・・・・あれ?
・・・目が覚めると、そこはベットの上だった。
夢・・・・
起き上がって手をついてみると、枕元が少し湿っていた。
何で・・・?
自分の頬から何か落ちてきたのを見て、不意に手を当ててみたら目元が濡れていることに気付いた。
あぁ・・・、私泣いてたんだ・・・・。
私は涙を拭って顔を洗い、カーテンを開いた。気持ちいい朝の光が部屋を明るく染めてく・・・。
「ニャ〜・・・。」
「テオ・・・。」
戸棚から小さな鈴をチャリンと鳴らしながらテオは私の方へと歩いて来た。
「おはよう。」
手で優しく背中を撫で下ろすと、気持ち良さそうに甘声を出しスリスリしてくるテオ。
「あれは一体なんだったんだろう・・・?」
それを表せるような言葉は見つからないけど、思い出す度に胸が締め付けられるような感じがするのは確かだ。
それと同時にざわめくような感じもする。
「レン・・・。」
嫌な事が起こりそうな気がする・・・。