Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
「とりあえず休める場所を探そう・・・。」
「そうだね。」

ガサッ・・・・

「「!?」」
草の生い茂ってるとこから何か動いている・・・。
オレはアカを後ろにおいて気付かれないようにのぞいて見た。・・・すると、小動物を噛み砕いているものがいた。
「・・・野良犬だ。」
「えっ!?」
「しっ!!」
だがもう手遅れ。野良犬は威嚇をしながらこっちに歩いて来た。後ろも左右隣も道はふさいであって通れない・・・。
「ど、どうしよう・・・。」



*・.*・*・.*・*・.*・*・.*・*・.*・*・.*・*・.*・*・. ( アカ )

どうしよう・・・・。
通れるとしたら前だけ。でも前からは野良犬が近づいて来るし・・・。
「行くぞ・・・・。」
「え?」
レンは後ろの木の側にあった棒を素早く取ると野良犬の頭を思いっきり殴った。その行動は私が返事を返す頃にはもう終わってるくらいで、何が起きたのか理解出来なかった。でもそんな私におかまい無しにレンは手を掴んで走り出した。
「・・・・ちょ!レン!?」
「今の内に逃げるんだよっ!!」
そう言って再び手を握り直すと、私達は道も何もない根や草だらけのところをただひたすら走り続けた。
あの野良犬も怖かったけど、レンと走っている内にそんなの消えてしまった・・・。
「きゃあ!」
痛っ!
見ると、転んだとこから血が出ていた。
「大丈夫?立てるか・・・?」
「うん。」
「もう少しだから。あの穴に入ろう・・・・な?」
レンは目を細めて笑うと、手を私に差し出して来た。
「・・・うん。」
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