Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜


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ここは・・・・?

優しい音色が、耳の奥に響き渡る・・・。すると、ぼやっとはっきりしない映像の中で懐かしい人が椅子に座って優しくお腹を撫でていた・・・。
お母・・・様?
・・・お母様は幸せそうに膨らんだお腹を眺めてる・・・。
『早く出てらっしゃい?そしたらあの人と三人で花畑に行きましょうねぇ。』
懐かしい声・・・・。
きっとお母様が話しかけてるあのお腹の中には私がいるんだ。会いたくて会いたくて仕方なかった人に会えたことに涙が零れ落ちそうになった・・・。
聞きたいことはいっぱいあった・・・、でもお母様には私は悲しいくらい見えないし聞こえない。
そしてやっぱり映像はすぐに違うとこに変わってしまった・・・。
『これは・・・。』
身体のあちこちにある紫色の模様を見て顔色を変えるお母様・・・。
あれが元々あったものではないことくらい私にはすぐに気付いた。
『誰がこんな事を・・・っ!こんな姿・・・あの人に見せらるわけがないわ!!』
誰かにやられたの・・・?誰かに毒を盛られたの!?
『こんな哀れな姿・・・・見せられない。』

お母様はその場で泣き崩れて、映像はそこでプツンと切れたー・・・・



「・・・・・。」
目を覚ました私はしばらくボーッとしていた。
もう朝なんだ・・・・。
「起きたの?」
ボー・・・
ボー・・・
・・・あれ?何でレンがここにいるの?
「おいっ!!」
バンッ!
「わっ!?」
レンに手を目の前で叩いて音を出され、おかげで目がさっぱり覚めた・・・。
あ、そうか・・・。私は今森にいるんだった。
そういえば私、どんな夢見てたんだっけ・・・?
お母様がいたような・・・。
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