Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
でも・・・。
でも・・・・っ!
「・・・ごめん。でも、言わずにはいれなくなって・・・。」
レンはその場で立ち止まって顔を手で覆った。
ズキッ・・・・
その表情からレンの気持ちが伝わってきて私の苦しみと重なった・・・。
二人の瞳から流れ出た悲しみは次々と黒い地面へと落ちては消え、また落ちていく・・・・。
「・・・くそっ!何で・・・・兄妹なんだよ。」
「・・・っ!」
レンを止めたかった・・・。この手で、震えるレンを抱き締めたかった・・・・。でも、出来ない。大声で泣きたいのに声が出ない・・・。
・・・私は、崩れ落ちるレンの姿を見て・・・ただずっと、涙を流し続けた。
しばらくして、レンは立ち上がり思いっきり自分の頬を叩いた。
「いつまで泣いてても仕方ないよなっ!先に進もう、アカ。」
「レン・・・・。」
その笑顔を見た時、私の中で何かが変わった気がした。
「・・・・ヴゥ。」
・・・・え?
今、何か聞こえたような・・・。
ガサガサ・・・!
「「!!?」」