Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜

何っ！？
木の陰から何かが動くのが見えた・・・。
「五匹・・・。」
「え・・・？」
レンはボソッと言った後私の前に立った。すると、狼がゆっくり前から、斜め右から、左から、そして後ろからと出て来た・・・。少しづつ、少しづつ私達を追い詰めるように近づいつ来る。
やばい・・・。
「アカ、・・・下がってて。」
「でも・・・。」
私はレンの服をしっかり掴んだ。
「大丈夫だから。目つぶってて、・・・な？」
レンは後ろで不安げに見てる私を見て小さく笑った・・・。
レン・・・・。
一歩づつ下がって目をつぶると、どの狼よりも強い声が聞こえた。きっとレンだ・・・。でも私の中はまだ不安でいっぱいだった。
だってレン一人に対して、狼は五匹もいるんだよ？別にレンが勝てないなんて思ってるわけじゃない。ただ、もしも殺られちゃったら・・・って、怖くてしょうがないんだ。
レンは待ってろって言ったけど、これ以上じっとなんかしてられない。
私は手を離して目を大きく見開いた。
「！？」
レンは・・・傷だらけになっていて一方的にやられていた。あの青々とした毛は赤く染まっていき、小さな狼たちに噛まれ続け苦しそうに暴れていた・・・。
このままじゃあレンが殺られちゃう・・・・っ！！