Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜

「レンッ！！」
「ばっ！・・・来るなっ！！」
レンのところに駆け寄ろうと走った時、レンの近くにいた狼が私の方へと走って来た。
「きゃぁぁ！？」
「アカッ！！」

何が・・・起こったの？
ドクドクと何かが首元から流れ出ているのが分かる・・・。
熱い・・・・。
痛みで意識が朦朧とする中、レンが狼たちに囲まれているのが見えた。
「レ・・・ン。」
体が上手く動かない・・・。
私は動かない左足を引きずりながらも手元にあった棒を持ち、彼の元へと歩いた。
もう一度前を見ると、レンは狼は残り一匹を残して力尽き、血を流し過ぎたのか倒れてしまった。
最後の一匹は、倒れたレンをじっと見ている・・・。
「や・・・めて。」
私の声なんて聞こえるはずがなく、狼はそのまま彼に止めを刺そうと飛びかかった。
「止めてぇぇぇ！！！」

ガッ！！

「ハァ・・・、ハァ・・・・。」
気が付くと、私は手元にあった棒であの狼を殴り倒していた・・・。
狼は最初から弱っていたのもあって、頭部を一発殴ったらもうそれ以上は起きなかった・・・。
「レンッ！」
急いでレンの元へ駆け寄ると、彼はあちこちから血を流し気を失っていた。少しでも動かせば激痛が走るくらいの深い傷だ・・・。でも、ずっとここにいるわけにもいかないし、また襲われたりしたら今度こそ助からない。
「早く・・・どこかに運ばないと・・・・。」
私はレンの腕を肩にかけて持ち上げようとした。

・・・・ズキッ！

「ゔっ・・・！！」