Breblly I 〜オオカミとアカずきんは恋をした〜
「早く・・・どこかに運ばないと・・・・。」
私はレンの腕を肩にかけて持ち上げようと立ち上がった。

・・・・ズキッ!

「ゔっ・・・!!」
さっき噛まれたとこが・・・っ!!
・・・でもレンの方がもっと痛いはず!私がこれくらいで痛いなんて言ってられない。
私はもう一度レンの腕を掴んで引きずりながらも少しづつ、・・・少しづつ運び続けた。
「ハァ・・・、ハァ・・・・。」
どんなに頑張っても進んで二十メートルしか行かない。意識が朦朧としてるのはもちろん、体力も底を突いていてとうに限界を超えていた。それでも、私は必死にレンを運び続けた・・・。
「ハァ・・・、もう少しだけ頑張ってね・・・レン。」
ズキズキ痛む傷口を手で押さえながら木に寄りかかった。
苦しい・・・。
少しだけここで休もう・・・・。
レンを自分の側に引き寄せ、座ろうと全身の筋肉を緩めたその瞬間!

ズルッ!!!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

濡れた木の根っこに滑り、私達はそのまま崖から滑り落ちて行ったー・・・・・


お父様・・・
お母様・・・

誰か・・・・


助けてー・・・・・




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