急に女扱いされても困る
閑話休題。

渡瀬明、高校2年。虎ヶ浜高校男子バスケ部マネージャー兼助っ人。女子だけど。
そしてここは時雨坂高校の女子トイレ。我がバスケ部とは昔から頻繁に練習試合をするほど仲の良い学校で、今日は今年度初の合同練習及び練習試合となる。

「っと早く行かねば」

誰に対してなのか自分でもわからない自己紹介を脳内でしていると、いつの間にかトイレの個室に入ってから1分経っていた。自分の赤いエナメルバックから黒地に白い文字で虎高バスケ部と書かれたジャージ、白い無地のTシャツ、黒の短パン、白いシューズを出す。今回はあくまでマネージャーとして来ているため、ユニフォームではない。出来れば今日こそは最後までマネージャーでありたい。バスケは好きだけど、これでも一応女子だ。男子たちが楽しんでる中に女子である僕が参加するのは、何だか水を差すようで申し訳なくなる。このことを以前幼馴染(男)に言ったら「大丈夫だろ。お前女子にカウントされてないだろうし。」なんてことを言われたけれども。
解せぬ
< 2 / 20 >

この作品をシェア

pagetop