恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
そのあと、近くの木陰のベンチに座った。


そして、雫に留学する事を話した。



「留学ですか?」



困った顔をしていたい。



「あぁ、二年くらいは向こうで過ごす。
ずっとって訳じゃない。

夏休みとかには帰ってくるし、
連絡だってする」



雫は、俺の方を見ようとせず、
下を向いて考えているようだった。


突然、肩におでこを乗せてきた。



「郁磨さんは留学して、
雫は待ってればいいんですか?」


「うん、雫がそうしてくれるんだったら」



暫く、沈黙が続いた。


どこからか、小鳥のさえずりが聞こえる
ほど、静かだった。



「浮気とかしないで下さいね。
向こうの女性は大人ぽいからって、
誘惑されないで下さいね」



全く、そんなこと気にして……。




「可愛くて仕方ない彼女が居るのに
そんなことするわけないだろ。

それに、雫がこれから、どんどん綺麗に
なっていく事が俺の楽しみなんだぞ」



肩に顔を押し付け、すりすりしてきた。



「私、郁磨さんのこと、好き過ぎる見たい
です」


「うん、俺は前から知ってたよ。
俺と同じだな」



顔をあげた。



「私、郁磨さんの事……、ちゃんと
待ってますから、勉強してきて下さい」


「あぁ、勉強も男としても、
ステップアップしてくる。

いい男になって帰ってくるよ。
雫を惚れ直させるくらいになって……」



優しく甘い、キスをした。



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