恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~

夏色

そして、夏の季節がやって来た。


海に行く日も決まり、準備していたら、
カナ兄に話しかけられた。



「取材?」



海に行く日。

もし良ければ、天羽聖として取材させて
欲しいとオファーが来たらしい。



それに、カメラマンと記者の二人。


記者の方は、僕も何度か取材を
受けたことがあり、顔見知り。

カメラマンさんの方は、
カナ兄と中学からの友達らしい。



「記者の槙(マキ)さんとカメラマンの
菊間(キクマ)に頼まれちゃってね。

無理にとは言わないけど、どうしたい」



取材か。
別に断る理由もない。



「僕は、良いと思うよ」


「本当、良かった。
皆には話通しておくよ」










そして、プライベートビーチに着いた。


「海、着いた」



今回は、

僕と幸来ちゃん、いっくんとシーちゃん、
カナ兄と莉理華さんとで、

海にやって来た。



取材は、明日からになり、
今日は遊ぶ日になった。


荷物も自室に置きたい所で……。



「皆で海、行きましょう」



シーちゃんの掛け声で、
皆、水着に着替え始めた。



男達は、早く着替え終わりビーチに
パラソルなど休むところを作っていた。



そして、

水着に着替えた、女性達が来た。



幸来ちゃんが駆け寄って来てくれた。



「どうかな?」



大人ぽいさがある、
少し胸を強調したような黒色のビキニ。



「凄く似合ってる」



恥ずかしくて、目を反らした。



「本当、嬉しい」



去年よりも大きい気がするのは、
僕の気のせいかな?



「聖君、どうしたの?」



近づいて来られ、胸が揺れていた。



「あの、何でも無いから」


「そう」



可愛い彼女の水着姿は、
ちょっと直視出来ない。








それを見ていた。


雫は自分の胸を見ていた。



雫だって、これからきっと……。


でも、全然育つ気配がない。



「はぁ」



男の人は大きい方が好きだよね。

郁磨さんにもっと好きになって貰いたい
けど……

こればかりは、どうすることも……。



「ありのままの雫が好きなんだから、
そんな気にすんな。

てか、好きな奴のこんな姿見て、
興奮しない訳ねぇだろ」



いきなり、郁磨さんにそんなこと
言われたら、恥ずかしい。



「そんなに可愛い格好してんだから、
もっと笑顔見せてくれ、なぁ」



郁磨さんに、頭をポンポン撫でられ、
思わず、顔を覆った。


恥ずかしくて、恥ずかしくて、
仕方なかった。



「本当、可愛いなぁ」



そう言うと、頭に軽くキスをしてくれた。



雫は、どれだけ郁磨さんの事、
好きになればいいんですか?










そんな二組のカップルをみて、
要は、微笑ましく思っていた。



「要君、この水着どう?」


「似合ってるよ」


「それだけ、もっと他に無いの?」



もっと他に……。



「もう、いい」



リリィが拗ねてしまった。

でも、今、思ったことを言えばいいんだよね。



「セクシーな水着で、リリィは、
スタイル良いから凄く似合ってる」


「そ、そう?」



機嫌直してくれたかな?



「うん、綺麗でとっても素敵だよ」


「ありがとう」



下を向いて、顔を赤らめていた。


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