恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
雫の所属する事務所の会議室に連れてこられた。
お洒落な印象を受けた。
椅子に腰を掛け、話の続きをした。
「それで、ここまで連れてきた理由は
何ですか?」
『雫さんの彼氏さんにお願いしたいことが
ありまして――。
それに、他に聞かれない方がいい話です』
武藤と言う、マネージャーは
企画書と書かれた紙を渡してきた。
「特集 御木雫の夏のひととき」
『はい。
毎年、海に行かれると言うことなので
そこでプライベートを撮らせて頂きたいんです』
彼氏として雫と写れってことか。
『雫さんの人気はご存知ですか?』
「同世代から大人ぽさもある清楚な女の子と称される様になってから、人気は留まることを知らない。
男女問わず人気を博していて、
女性は、あんな風になりたいと憧れを持ち
男性は、可愛いと声をあげる」
『流石ですね』
「可愛い彼女に興味がない彼氏は居ないと
思いますけど――」
雫の顔を見ると顔を赤らめ、下を向いていた。
『そこで、御木雫の彼氏として紹介させて
欲しいんです』
「彼氏発表をすると言うことですよね」
『ご了承頂けますか?』
彼氏発表
あんまり、写真に写ることはしたくないんだが――。
「雫は、これで良いのか?」
「雫は、郁磨さんとじゃないと嫌です」
「そっか」
雫は嫌じゃなさそうだし、それに――。
「雫が良いのであれば、構いません。
その取材、お引き受け致します」