恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
そして、夏休みになって、幸来ちゃんを
家に迎えに来た。


       カフェへ

カランカラン


「いらっしゃいませ」


とても綺麗な人が立っていた。


「あっ、もしかして、幸来の彼氏さん」


改めて言われると、恥ずかしい。


「はい」


「やっぱり、聞いてた通り」


「あの、えっと」


「あー、そうね、私は、幸来の母です」


幸来ちゃんのお母さん。


「幸来がお世話になってるみたいね」


「いえ、全然、お世話になってるくらいです」


「そう、あの子には、大変な思いをさせてきたから、我儘、沢山、聞いてあげてくれるかしら」


「はい」


「あっ、聖君、来てたの?
来てたなら、言ってよ」


「ごめんごめん、少しお話してたから」


「変なこと、言ってないよね」


「言ってないわよ」


端から見ると姉妹みたいだな。


「幸来は、ちゃんとした人、
見つけてくれて良かったなと思って、
聞いてた通り、格好いいし。

この子に毎日のように、ノロケ聞かされたのよ」


「ちょっと、お母さん!」


ノロケ。


「幸来ちゃん」


「何、機嫌悪くした」


「ううん……、僕のノロケ言えるほど、
僕のこと、好きでいてくれるの、嬉しいなって思って」


「えっ」


また、真っ赤に。


「あら、仲がいいのね」




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