恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
    いっくんの家に向かう道



「幸来ちゃん、洋服可愛い」


「本当、嬉しい」


「幸来ちゃんのお母さん、綺麗な人だったね、姉妹みたいだったよ」


「お母さん、それ言ったら喜ぶよ」


「幸来ちゃん、今も美人さんだけど、
大人の女性になったら、お母さんみたいに
綺麗になるんだね。
僕、ますます惚れちゃう」


「そうなるといいね」


幸来ちゃんといるだけで幸せだなぁー。



   いっくんの家に到着した。


「いらっしゃいませ、聖君」


「あっ、お久しぶりです」


「見ない間に大きくなったね」


「小百合(サユリ)さんは、ますます綺麗に
なりましたね」


「聖君は、上手いわね」


小百合さんは、可愛い感じの人だ。


「聖、人の母親を口説くな」


「口説いてないよ」


どこが、口説いてるんだよ。


「何、郁磨、嫉妬してくれたの?
可愛いわね」


「はぁ、そんなわけないだろ」


オチャメだなぁ。


「あっ、この子が峰岸さん。
可愛いより綺麗な子ね。

郁磨がお世話になっちゃってるみたいで、
この子にちょっと口悪いから、
何か言われたら、言ってね」


「はぁ、けど、郁磨君、優しいので」


「そうですよ、小百合さん。

それに、いくら、いっくんでも、
幸来ちゃん傷つけるようだったら、
僕が絶対に許さないので」


「あら、聖君、格好いい」


また、幸来ちゃんの顔が真っ赤に。


「母さん、ちょっと黙って、
これから、俺ら、勉強すんだから、
此処で引き留めないでくれ」


「あら、怒られちゃった。

何かあったら、何でも言ってね。

遠慮しなくていいからね」


小百合さんは、リビングに消えていった。


「何か、オチャメなお母さんだね」


「まぁ、そうだな。

俺の部屋、此方」



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