恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
      郁磨の部屋


「失礼します」


「いっくんの部屋、綺麗だね」


「聖は、ちょくちょく来てるだろ」


この前、来たとき、参考書だらけだった
よね。


「あの…」


「あっ、シーちゃん」


「この綺麗な人は」


幸来ちゃんが嬉しそうだ。


「あの、私、聖君の…か、彼女の
峰岸 幸来って言います」


「あー、聖君の言ってた、彼女さんか。

妹の雫です、今日は宜しくお願い
します」


「よろしくお願いします」


改めて、彼女って言われると照れる。


「それより、雫ちゃん、
スタイルよくて、可愛い」


「シーちゃんは、モデルやってるんだよ。
凄く可愛いんだ」


「そうなんだ」


可愛い可愛い妹だもん。


「それより、宿題やるぞ」



  机を囲んで座った。


「皆の苦手教科とかなんだっけ」 


「僕、ない」


「聖は、苦手も得意もないだろ」


「酷い、美術は得意だよ」


「それは、お前の本業だろ。

何より、俺らの通う学校に美術のテスト
ないから」


相変わらずの突っ込み。


「峰岸は、苦手教科」


「英語かな」


「そうか、雫ちゃんは?」


「私は、数学が」


「じゃあ、数学、俺得意だから教えるよ。

英語は聖に教えて貰って、一応、
三か国語だったか、話せるから」


「そうなの?」


「いっくん、四か国語だよ。
英語、ドイツ語、フランス語、日本語だよ」


「そうだったか」


もう、酷いなぁ。


「聖君、凄いね」


「日常会話程度だけどね」


「英語が話せて、得意じゃないの?」


あー、不得意がないっていったから。


「それはね……」


「全部、日本語で書いてあるから、
たまに日本語の意味分からずに変な答え
書くから点数が悪いんだ」


「だって」


だって、勉強嫌いなんだもん。


「ちゃんと勉強すればいい、もっと良い
成績とれるのに、勉強嫌いだからって
それでも、オール4、微妙にムカつく」


「もう、いっくん酷い」


やる気が出ない。


「それより、宿題やろうね」


「そうだな、苦手教科から、
潰していこう」



     勉強会、開始。


何か、暇だな。

あー、絵が描きたい。

今、集中力がない。


「あの、郁磨さん、此処って」


「どこ、あー、これはね」


いっくんって、僕に対しての風当たりが
強いんだよな。

あー、駄目だ、集中力がー。


「おい、聖。
休憩の時にって、母さんが甘いもの用意してたぞ」


「甘いもの!
何、何、どういう系の御菓子」


「それは、休憩の時のお楽しみだ」


「僕、頑張る」


「よし」



こいつ、御菓子で面白いくらいにつれる。  by 郁磨


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