恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~

郁磨side  祭り

今、俺は、聖の後を尾行していた。

何故かって、愚問だな。


面白そうだからに
決まっているじゃないか。


と思って、尾行していたが、見失った。

相変わらず、甘いもの食ってた。


暇になったし、どうするか。


「ねぇ、一人、お兄さん達と一緒にどう
楽しませてあげるよ」


「あ、あの、えっと」


あれは、雫ちゃん?

数人の男に絡まれていた。


「いいから、来いよ」


「止めて下さい」



「おい、いやがってるだろ」


「なんだ、てめぇ」


「その子の連れです」


「ちっ、何だよ、彼氏が連れかよ。
お前ら、行くぞ」


去っていった。


「雫ちゃん、大丈夫」


「は、はい」


声が震えてるなぁ。


頭を撫で撫でして、抱き締めた。


「もう、大丈夫だよ」


「郁磨さん、ヒック、怖かったです」


「よしよし」



      数分後。


「泣き止んだね」


「はい」


「要さん達と一緒にいたんじゃないの。
はぐれたとか」


「郁磨さんとお祭りまわりたくて、
声掛けようとしたら、郁磨さん
一人でどんどん行っちゃうし、
怖い人に捕まるし」


俺のこと、追いかけてたのか。


「だったら、今から、店、まわる?」


「えっ、本当ですか!」


「うん」


「行きましょう」


さっきまで元気無かったのに、 
ぱぁって明るくなったな。

犬みたいでちょっと可愛いかも。





その後、色々屋台をまわって、

人通りの疎らな所のベンチで休んでいた。


「楽しかったですね」


「あー、あっちー」


「あの、郁磨さん」


「何?」


「あの、その…、私、郁磨さんと同じ高校
通いたくて、だから、えっと」


どうしたんだろう?

急に、何か、顔赤い。


「高校の特進クラスに受かったら、
わ、私と…、

付き合って貰えませんか!」



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