恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
   絵が展示されている所へ


「本当に凄いね、何か温かい気持ちに
なるねぇ」


どうしよう、凄く嬉しい!

にやけが止まらない。


そう思って、隣を見ると幸来ちゃんが
涙を流していた。


「えっ、幸来ちゃん」


「あっ、ごめん、どうしてだろう、
止まらない」


僕は、幸来ちゃんの手を握って、
外に連れ出した。

そして、人気の無いところに来て、
ベンチに座らせた。


「どうして泣いてるの?」


涙を掬いながら聞いてみた。


「分かんない、急に涙が……」


その時、幸来ちゃんは、僕が、
一目惚れしたときの表情をしていた。


やっぱり、あの時の子は、
幸来ちゃんだったんだ。

ずっと聞けなかったけど、今なら、
聞ける気がする……。

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