恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~

白色

そして、文化祭も終わり。

クリスマスが近づき、終業式も
近づいてきた。


「寒いなぁ」


「うん、寒いねぇ」


最近、いっくんが上の空だ。

文化祭後から、可笑しい。


無事に集客率も売上も一番だったのに、
喜ばないし、どうしてだろう。

シーちゃんの様子も……。

何か、会ったのかな、喧嘩かな。


「ねぇ、いっくん、シーちゃんと
何か会ったの?」


「えっ、いやー、何も」


何か、可笑しい。


「シーちゃんとキスでもしちゃった」


「いや、別に」


あっ、目そらした。

いっくんの顔を僕の方に向けて、


「いっく~ん」


「分かったから、こっちくんな」


いっくんが珍しくたじたじだ。


「はぁ、何か、雫ちゃんの事、
好きらしくってさ」


「なんで、そんなに他人事なの」


「だって、その気持ちに気が付いてから、
雫ちゃんの事しか考えられなくなってた。

なんで、もっと速く気づけなかったのか、
どうして、あの時、怒ったのかとか、
色々と、そのー、はぁ」


「いっくん、こう言うのをヘタレって
言うんだよね」


「うっ、天然、黒。 天然S」


「何、どうしたの?」


天然黒って何?
ピュアブラックって事?

よくわからない。


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