恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
幸来ちゃん、どんな服でも似合うと思う
けどね。

「では、聖様もスーツをお選びに
なりますか?」


「うん、神岡さん、宜しくね」


「はい」


神岡さんとは、
父さんと長い付き合い。

だから、スーツなどの洋服は此処で
買っている。

僕も、小さいことからお世話になっている。


「また、背が伸びられましたか」


「そうなんだ、だから、前に着ていた、
スーツ着れなくなっちゃって」


「成長期でいらっしゃいますからね。
今回は、どんなスーツ致しましょうか」


う~ん、そうだな。
幸来ちゃんが、ネイビーブルーだから……。


「前は黒だったし、幸来ちゃんと同じ
ネイビーにしようかな」


「幸来様とおっしゃられるのですね」


どうしたんだろう?


「すいません、聖様もそれだけ、ご成長
なされたのだと思いまして」


「そうですよ、僕は高校二年生ですから、
身長も神岡さんより大きくなったしね」


「まさか、彼女様とご来店なされる日が
こんなに早く来るとは思っていませんでした。
時が経つのは、早いものですね」


「神岡さんも年を重ねたね」


前までは、そんなこと言わなかったのに。


「ねぇ、神岡さん、また、格好いいスーツ
選んでよ、前のも評判も良かったから」


「はい、承知しました。」


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