恋色キャンバス～君がおしえてくれた色～

リビングに行くと、


「おぉ、やっと起きてきたか、寝坊助」


「何で、いっくんが居るの？」


本当に、どうして。


「俺もいるぞ」


「あっ、航介さんも、親子揃って、
何で、此処に居るの？」


訳分かんなくなってきた。


「聖、落ち着け。
二人とも追い出されてきたんだって」


「「追い出されてなんかねぇ/ないです」」


ハモった。

　
「変なことを教えるな」


「そうですよ」


「本当にこう言うときだけは、息ピッタリ
だよね」


父さん、楽しんでる。


「あっ、聖、おはよう。
朝ごはん、今、出すから、それ食べながら
話聞くといいよ」


「うん、そうだね」



そして、僕は、説明を受けた。



「チョコを作るからって、外に出されたの？」


「そうなんだよ。
今、俺の家には、母さんと雫と峰岸、
それに堀ノ内さんがいるから」



堀ノ内、さん？

あぁ、カナ兄の幼なじみの。


でも、どうして？


「どういう事」


「だから、雫が居るからって言うのと、
何を作るか、秘密にしておきたいって言う
乙女心だろ」


「ﾌﾞｯ、お前の口から乙女心が、
出てくるなんてな」


「ぁん、何」


あぁ、また喧嘩が始まる。


「親に向かってなんだ、その態度」


「親らしくしてみろ」


「誰が告白する前に後押し、してやったと
思ってる」


「自分の子は、生意気くらいが丁度いいん
だろ」


喧嘩になってしまった。



「航介。
此処は、誰の家だと思ってる」


「政樹の家だな」


父さん、何か、怖い。

黒々しいオーラ……。


「航介、いい子だね。
ちゃんと分かってるじゃん。
一応、親友の家何だから静かにしないとね」


あっ、戻った。


「航介。
自分の可愛い子供と遊びたいのは、
分かるけど、限度があるよ」　


「何処が、可愛いんだ。
可愛いってのは、小百合見たいな奴を
言うんだ」


航介さんって、さらっと、あぁ、言うこと
言えちゃうんだよなぁ。


「可愛いの基準が母さんかよ」


「ぁん、小百合は世界一可愛いだろう」


「親父、痛すぎる」


「そんなの知るか。
可愛い者を可愛いと言って何が悪い」


あっ、本当に仲いいんだ。