恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
「皆、恋してるわね」


「そういう、小百合さんはどうなんですか?」


「私は、航君とは仲良しだもん。
航君、大好き」


「本当に仲がいいんですね」


笑顔で話していた。


「雫ちゃん、どうしたの?」


「あっ、いや、何かいいなぁって思って、
この雰囲気。

雫の本当のパパは生まれる前に亡くして、
ママは、雫が二歳の時、孤児院に預けて、
行方知れずで……。

直ぐ、今のお父さんに引き取られました
お父さん、お兄ちゃん達も良い人達で。

でも、母親と言うものが希薄なんです。

だから、こうして、母親がどういう人なのかとか、姉妹がいたらこんな感じなんだと
思ったら、何か、嬉しくて」


「そっか」


気恥ずかしそうに話していた。


「そうね。
たまには、こう言うのもいいわね」


< 86 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop