不良にならなきゃ★始まらない?!
「おら、練習始めるぞ!」
みんなは、自分の位置に戻ったけど、私
は納得いかなかった。龍斗くんに、何度
も傷を負わせたヤツらを、ほっといてい
いの?ただの逆ギレじゃない!龍斗くん
が可哀相だよ。今にもブチキレそうな、
私の表情に気づいた琉聖くんが、耳元で
言った。
「一華、堪えろ」
ガゴーン!!!
「おっと失礼」
相手のリーダーが、太鼓を蹴り倒した。
「琉聖さんよ、駅伝の応援団するそうじ
ゃねえか。潰さしてもらうよ、その駅伝
大会」
「それがいやなら、今すぐ頭下げて傘下
になれや」
みんな怒りで震えている。琉聖くんも、
歯をくいしばって、堪えているのが分か
った。
「やれるもんなら、やってみろよ」
「関係ねえヤツらまで巻き込むような、
クズ以下のグループと手組む気は、サラ
サラねんだよ!!」
卑怯だ。琉聖くんが手を出せないのを分
かってて言ってるんだ。今、喧嘩して揉
め事を起こしてしまえば、うちの学校は
出場停止なってしまう。まともに喧嘩し
たら、琉聖くんに敵うわけがないから、
龍斗くんをダシにして、こんな卑怯な手
を使ってくるんだ。