不良にならなきゃ★始まらない?!
教室に戻ると、琉聖くんは机に肘をつい
て居眠りをしていた。穏やかな昼下がり
は絶好のお昼寝タイムだもんね。それに
しても、寝顔までコワイ顔に見えちゃう
のは、少しつり上がった眉のせいかな?
だけど、やっぱりイケメンなんだよね。
ライムの香りのヘアワックスも、ナチュ
ラルに立ち上げたリーゼントも、何気に
好き。いつも私の机の方まではみ出して
る足も、邪魔だけど憎めない。
そういえば、葵さんは琉聖くんのことが
好きなのかな?彼氏がいても琉聖くんに
甘いのは、どうしてなんだろ?
琉聖くんは結局、授業が終わるまで眠っ
ていた。
「…ふああ」
あ、起きた。
『お、おはよ』
「…は?…ああ」
『あの、さ?』
「…あん?」
『葵さんには彼氏がいるのに、あんな風
に甘々してても平気なの?』
「何だよ急に?前にも言ったけど、俺は
来るもの拒まずだし、葵がそうしたけり
ゃいいんじゃね?」
『な、な、なんでそんな適当なの?!』
「はあ?自分の女をしっかり捕まえてお
かねえ男が悪いだろ?葵に俺だけ見てろ
って言やあすむことだ」
『そっか?』
妙に納得してしまった。葵さんが他の男
子に傾いてしまうのは彼氏の責任だと、
琉聖くんは言った。