不良にならなきゃ★始まらない?!
不良生活、7日目。今日で不良生活は終
わりにしようと密かに目論み中。
「如月くん」
「おー」
今日もやってきた成宮さん。あれ?なん
かイメージが違う。あ!眼鏡だ、眼鏡を
してない。それに髪!真っ黒だけどそれ
ソフトリーゼントだよね?カッコイイ!
成宮さんってこんなにカッコイイ人だっ
たっけ?目をキラキラさせる女子が増殖
する中、成宮さんは琉聖くんに雑誌を差
し出した。
「これ、借りてたやつ、サンキュー」
「ああ、いや」
「どう?俺?」
「まあまあだな」
成宮さんは、頭を掻きながら照れ臭そう
に笑った。手にしていたのは琉聖くんが
愛読しているアウトロー系の雑誌。琉聖
くんから借りたとなると参考書ではない
ことは想像できたけど、想像を遥かに上
回る意外さに驚いてしまった。どうした
の成宮さん?どんな心境の変化?
成宮さんが髪を伸ばしていたのは、この
ためだったんだ。琉聖くんに憧れての行
動なのかな?カッコイイけど…何だか…
複雑な気持ち。誰かの真似とか成宮さん
らしくない。プライドもあって、自分の
信念を貫いてる人だって思ってたから。
少なくともあの、生徒会選挙の演説の時
はそう思えた。もちろん私は、成宮さん
に投票した。
そんな私の気持ちなど知る由もなく、成
宮さんと琉聖くんは、髪質の話で盛り上
がっていた。