不良にならなきゃ★始まらない?!

『優樹菜?って、堕威の彼女?』

「違えよ、オカンだし」


『え?!お母さんのこと名前で呼んでる

の?』

「ああ、呼び捨てしたってる。それから

俺は今、女いねえしな。チチかは男いん

の?」


『へっ?!私っ?い、いないけど』

「だよな、ぷっ」


『失礼だな!ったく』




「じゃあ、俺と付き合えば?」




耳を疑った。


『…!?!?はああ!?な、な、な、な

なに言ってんの?』

「あはははは、冗談だよ」


『な、なによっ!堕威のアホー!!』


ああ、焦った。免疫ないんだから、その

手の冗談は勘弁してよ!顔が、赤くなっ

ちゃったじゃないもう!…恥ずかしい。


「チチか、顔、顔、」

『ぎゃあああー!み、見るなあ!!』


「…わ…いいな…」

『んっ?聞こえないよ』


「…何でもねえよ」


何なのよ…もう。でも、堕威とも今日で

おさらばだもんね。明日からはもうここ

には来ないんだから。


琉聖くんとも、ただの隣りの席同士って

いう関係に戻るんだから。


ズキン…


なんだろ、この胸の痛み?


きっと、気のせいだよね?
< 22 / 133 >

この作品をシェア

pagetop