不良にならなきゃ★始まらない?!
『優樹菜?って、堕威の彼女?』
「違えよ、オカンだし」
『え?!お母さんのこと名前で呼んでる
の?』
「ああ、呼び捨てしたってる。それから
俺は今、女いねえしな。チチかは男いん
の?」
『へっ?!私っ?い、いないけど』
「だよな、ぷっ」
『失礼だな!ったく』
「じゃあ、俺と付き合えば?」
耳を疑った。
『…!?!?はああ!?な、な、な、な
なに言ってんの?』
「あはははは、冗談だよ」
『な、なによっ!堕威のアホー!!』
ああ、焦った。免疫ないんだから、その
手の冗談は勘弁してよ!顔が、赤くなっ
ちゃったじゃないもう!…恥ずかしい。
「チチか、顔、顔、」
『ぎゃあああー!み、見るなあ!!』
「…わ…いいな…」
『んっ?聞こえないよ』
「…何でもねえよ」
何なのよ…もう。でも、堕威とも今日で
おさらばだもんね。明日からはもうここ
には来ないんだから。
琉聖くんとも、ただの隣りの席同士って
いう関係に戻るんだから。
ズキン…
なんだろ、この胸の痛み?
きっと、気のせいだよね?