不良にならなきゃ★始まらない?!
私は、自分の都合しか考えてなかった。
不良達の罵倒から逃れるために、半端な
気持ちで仲間になったけど、それでもみ
んなは、私を追い出すようなことは決し
てなかった。琉聖くんはすぐ、溜まり場
に誘ってくれたし、堕威も声をかけてく
れた。堕威にイジられる私に、琉聖くん
はさりげなく目をかけてくれたし、他の
みんなも一緒に笑ってくれてた。
それなのに私は、自分の都合ばかり優先
して、仲間の気持ちを、ぜんぜん考えて
いなかった。突然、私が来なくなって、
みんなはどう思ったんだろう。
不良は、適当とか中途半端とか言われて
るし、私も、実際そう思ってた。途中で
抜けたって、どうってことないなんて軽
く考えてたけど、本気で私を仲間だと思
ってくれてたことに、今頃やっと気がつ
いた。
適当で中途半端なのは、私の方だった。
「紗夜さん、大丈夫?」
「は、はい」
葵さんは、紗夜に優しくハグをした。
正直、葵さんのことも媚びてるみたいで
好きじゃないって思ってた。ほんとは、
めっちゃ優しいんだ。
私、戻れるかな?許してもらえるかな?
また、仲間になりたい!!