不良にならなきゃ★始まらない?!
ブォーーーッ
ドライヤーを当ててみるけど、なかなか
上手くまとまらない。このピンピン跳ね
る髪、キライ。
小さい頃は、まあまあ綺麗なストレート
だったのにな。自由奔放に育ったこの毛
先は、私に似たのかな?
はああ、いうこときかない!
クルクルドライヤーでなんとなく内巻き
にして、潔く諦めた。
眉も整えて、いざ、リップ!!
鏡の前で、変に緊張する私。こんな女子
みたいな私、変なの。ぎこちない手つき
でリップの蓋を開け、唇に当ててみる。
フワッとイチゴの香りがして、薄ピンク
の唇がほんのり赤く色づいた。
うわっ、可愛い!!
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイって!
プルプルになった唇は、ほんのり赤くて
つい触れてみたくなる。いつもとぜんぜ
ん違う自分。鏡に映る自分にうっとりし
てしまう私は、そうとう変なヤツだな。
リップだけでこんなに変わるものなの?
もっと、オシャレしてみたい。
唇が少しペタペタして、ついおちょぼ口
になってしまう。
変身した自分に、大満足した単純な私は
制服に袖を通した後、もう一度、鏡の前
でチェックした。
「うん、オッケー!!」
まだ、ほんのり赤くて、プルプルしてる
唇に満足すると、ワクワクしながら家を
出た。