不良にならなきゃ★始まらない?!
ド!!ドンッ!!
太鼓の音が、心臓に響く。
「フレー!!」
ドドンッ!!
「フレー!!」
ドドンッ!!
「桜南!!」
ドドドドドンッ!!
琉聖くんの声が、轟く。
「一華、続け」
『は、はいっ!!』
『フレーッ!!』
ドドンッ!!
『フ…ッ!…』
「もっと思い切れ」
『は、は、はいっ!!!』
『フレーッ!!!』
ドドンッ!!
『フレーッ!!!』
ドドドンッ!!
『桜南!!!』
ドドドドドンッ!!!
「それでいい」
『は、はいっ!!』
琉聖くんのOKが出ると、カチコチにな
っていた身体は緊張がとけて、カタカタ
と音がするほど震え始めた。
ヤバイ、震えが止まらない。
唇が震えて、膝がカクカクする。
今なら、指一本でも倒されそう。
ムニッ
『ふにゃあ!!』
誰かが、脇腹を摘んできた。
『な、な、何っ!?』
琉聖くんが、ニヤリと笑った。
「柔らけえ」
『な、な、な、なあああ?!』
震えはすっかり止まってしまった。何な
の一体?!脇腹、苦手なのに!もう!!
私がプンプン怒っていると、真面目な顔
をした堕威が、琉聖くんの前までやって
きた。
「琉聖さん、俺、応援団抜けます」
『ええっ?!堕威?!』