不良にならなきゃ★始まらない?!
「堕威、どういう意味だ?」
「俺、走ります」
「必ず勝って、一華をもらいます!!」
琉聖くんは、堕威の肩を抱いた。
「負けは認めねえ」
「「「!!うおおー堕威!!」」」
みんなが、堕威と琉聖くんのもとへ駆け
寄ってきた。
「みんな、異議はねえな」
「「「おー!!」」」
「堕威は、俺らの代表だ!いつもどんな
時も俺らがついてる!!ガンバれ!!」
「はい!!」
「あ、けど、一華はやんねえ」
「いや、奪う覚悟ですよ!!」
「あははは!いつでもかかってこい!」
何言ってんだか、まったくもう。
堕威!ガンバれ!!心はひとつだよ!!
みんなと応援してるからね。
堕威は、握っていたバチを連れに託すと
屋上を後にした。泣きベソをかきながら
も、血と汗で茶色になったバチをしっか
りと握り締め、太鼓の前に立つ連れの姿
は、なんだか堕威に似てる。
ド!!ドンッ!!
「フレー!!」
ドドンッ!!
「フレー!!」
ドドンッ!!
「堕威!!」
ドドドドンッ!!
同中だった連れによると、堕威と堕威の
弟は、中学陸上界の超有名人で、弟は今
もトップクラスで活躍しているらしい。