不良にならなきゃ★始まらない?!
えっ?!今、何て?!
「華島さん?!どうしたのその姿?!」
見た目がまったく違うけど、葵さんだ!
成宮さん、顔が赤い。
ストレートの黒髪、ナチュラルメイク、
黒い瞳の、清純派女子。
可愛い!めちゃくちゃ可愛い!!
『葵さん!!』
「一華ちゃん」
思わず、抱きついてしまった。どうしよ
う、感動で、涙が出てきた。
「一華ちゃん、泣かないで」
『うん、うん、ごめんなさい』
葵さんは、優しく抱きしめてくれた。
「琉、みんな、ただいま!!」
「うおおー!!葵じゃん!」
「可愛いな、ヤらせろよ!」
「丁重にお断りします!!」
「お嬢様みてえだな、葵」
「でしょ!琉」
『葵さん、めちゃくちゃ可愛い!』
「ありがとう、一華ちゃんのおかげよ」
葵さんだ!葵さんだ!嬉しすぎる!!
「あのさ…!」
葵さんが、真面目な顔で言うと、空気が
シンと静まり返った。葵さんから報告が
あると、みんなが悟った。
「あのさ、中絶しちゃった」
仲間の前で、そう報告した葵さん。嘘の
つけない人。この一言で、葵さんが休ん
でいた理由を、みんなが理解した。
あの日、帰る方向の違う葵さんが、向か
った先は、産婦人科だった。
想像したくなかった。葵さんが、可哀想
過ぎる。