不良にならなきゃ★始まらない?!
キレそう。頭に血がのぼって、思考回路
が正常に働かない。許せない!!アイツ
絶対に許せない!!
「…ざけんな」
えっ?!成宮さん?!
成宮さんが、物凄い勢いで屋上を出て行
った。
『成宮さん!!』
私達は、急いで後を追った。
成宮さんは勢いのまま、ユウちゃんに向
かって殴りかかった。
「テメエ、ふざけんじゃねえぞ!!」
「…っ」
成宮さんの拳は、ユウちゃんとの間に入
った琉聖くんの鎖骨に当たった。
「如月…?!どけっ!!!」
「成宮テメエ、駅伝、潰す気か」
「うるせえ!コイツは許せねんだよ!」
「成宮、目覚ませ」
「うるせえ!どけつってんだろ!!」
「こんな野郎のために、夢、潰すなよ」
ピシャッ!!
思わず、手が出てしまった。
もう、ガマンの限界だった。
ユウちゃんの頬に、真っ赤な手形が現れ
た。
私の、手形だ。
『オマエ、最低だな!!オマエなんかに
葵さんは渡さない!!』
途中から泣き声になった。悔し涙が溢れ
て止まらなかった。
『クズ野郎っ!!!』
「もう止めろ、一華」
「成宮も、一華も、もう止めろ」