不良にならなきゃ★始まらない?!
「俺らだって、大事な仲間傷つけられて
クソ悔しんだよ。けどな、どうにもなん
ねえ恋愛だってあんのさ」
「まあ、でもな先生よ、テメエのことは
一生忘れねえからな、覚えとけ」
「…殴ってくれ」
「…は?」
「俺を、殴ってくれ」
「テメエを殴って何になる。俺らにとっ
て拳は誇りだ。制裁の道具じゃねえ」
「俺は、どんなに葵が好きでも、幸せに
してやれない」
「んなこた、葵だって初めから分かって
たさ。分かってても、アンタじゃなきゃ
ダメなんだから、仕方ねんだよ」
「琉、みんな、ありがとう」
葵さん…
「ユウちゃん、別れよう。今までありが
とう。それから私、不幸だなんて一度も
思ったことないよ。ユウちゃんと過ごせ
た時間、幸せだった」
「赤ちゃん産めなくて、ごめんね」
「葵、ごめんな。ほんとにごめんな。俺
も幸せだった。ありがとう」
葵さんが可哀想過ぎるよ。ユウちゃんに
甘えたいのに、甘えられなくて、琉聖く
んに甘えていたんだよね。
ユウちゃんの言葉なんて、その場しのぎ
にしか聞こえない!生徒一人も守れない
なんて、先生失格なんだから!!
切なくて心が痛い。うっ、うっ。
「一華、泣くな」
「みんな、練習に戻るぞ!」
琉聖くんが、この場を終わらせた。