不良にならなきゃ★始まらない?!
★葵side☆
「葵、中学で陸上部だったのか?」
「は、はい」
「駅伝に出てみないか?」
「あの、私、マネージャーだったんで」
「そうか、残念だな」
「すみません」
ちょうど二年前の今頃かな、ユウちゃん
に声をかけられたのは。
「オマエら、サボッてんじゃねえぞ!」
「先生こそ、ナンパしてんじゃん」
「ナンパじゃねえ、スカウトだ!」
「いや、顔が超ニヤケてるし」
「うるせ!さっさとウォーミングアップ
終わせ」
口が悪くて、ヤンチャな男の子みたい。
これが、ユウちゃんの第一印象だった。
ユウちゃんはイケメンで、女子の間では
かなり人気があるのに、とにかくハチャ
メチャで、目線が生徒達とまったく一緒
だった。
一緒に怒って、一緒に笑って、ときには
一緒になって、先生達の悪口を言ったり
して。
自分に正直で、堂々としていて。
私はいつの間にか、ユウちゃんを好きに
なっていた。