不良にならなきゃ★始まらない?!
見ているだけで幸せで、目が合っただけ
で、大事件だった。
そんな時、ユウちゃんがバイクの事故で
全治一カ月の大ケガを負ってしまった。
学校で聞かされた時、心配で息が止まり
そうだった。
駅伝の指導も代理の先生になり、選手達
も練習に熱が入らない様子だった。
ユウちゃんに逢いたくて、ケガの具合が
落ち着いた頃、友達を誘ってお見舞いに
行く事にした。
やっとユウちゃんに逢える。そう思うと
嬉しくて胸がいっぱいになった。
看護師さんに案内され、病室の前に着く
と、迷惑じゃないかな?と、急に不安に
なってしまった。
その時、病室の中から子供達のはしゃぐ
声が聞こえた。友達に促されて中に入る
と、ユウちゃんは私達に気がつき、嬉し
そうに笑った。
「葵と、菜摘じゃん。見舞いに来てくれ
たのか?」
「コイツらは、俺の嫁と息子達」
ユウちゃんが、家族を紹介してくれた。
私は、目の前が真っ白になった。ずっと
独身だと思っていたから。でも、それは
私の勝手な想像だった。
綺麗な奥さん。それにすごく優しそう。
子供達はまだ小さくて、ユウちゃんの膝
に乗ってはしゃいでいる。お兄ちゃんの
方はユウちゃんとソックリだ。