不良にならなきゃ★始まらない?!

ユウちゃんは、迷惑がるどころか「また

来てくれよ」と、喜んでくれた。


涙がこぼれそうだった。


ユウちゃんには家族がいて、好きになっ

ちゃいけないんだって、どんなに自分に

言い聞かせても、もう、好きな気持ちを

止めることなんて出来なかった。


寂しさを誤魔化したくて、髪を染めたり

化粧をしたりしてみても、虚しいだけだ

った。


しっかりけじめをつけなきゃ。そう決心

すると、私は一人でユウちゃんの入院す

る病院へと向かった。


「こんにちは…」


手みやげにプリンを持って、病室を尋ね

ると、ユウちゃんは眠っていた。


無邪気な寝顔、大好きなユウちゃん。


大好きな、大好きな。


涙が一粒、こぼれてきた。あんなに固く

決心したのに、顔を見たら、決心が揺ら

いでどうしようもない。


「…誰だ…?!」

「…んー?葵か?!なんだその姿は?!

別人じゃん」


「先生…?」


「…ん?!泣いてんのか?!」


「先生…私、先生が好きです」


「…は?!」


「今日は、先生への気持ちにけじめをつ

けるつもりでここに来ました。先生への

気持ちを心の中に閉じ込める前に、もう

一度だけ顔が見たくて」
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