不良にならなきゃ★始まらない?!
「葵、不良っぽくなったな」
「そ、そう?」
「俺も高校ん時は、喧嘩ばっかしてたけ
どな」
「ああ、なんか想像できる」
「だろ?」
「…あの頃、葵と出逢ってたら、俺達は
どうなってたんだろな」
「ユウちゃん…」
「俺達、メンチ切ってたかもな」
「だね、ぜったい負けないけど!」
「あはははは!こわっ!」
「…葵…っ」
ユウちゃんと、初めてのキス。
優しくて、涙がこぼれた。
「ごめん、葵、ごめんな」
「ううん、ユウちゃん、好き」
「…俺も」
嬉し涙が、ポロポロこぼれてきて、素顔
の自分に逢えた気がした。
それからもユウちゃんは、変わらず優し
かった。
付き合って二年目の、夏のある夜
「もしもし、葵?」
突然、ユウちゃんから電話があった。
「どうしたの?!」
「ん、声が聞きたくて」
「酔ってるの?」
「んー、少し」
「今から逢えないか?」
「今から?…うん、分かった」
親には、友達のところに行くと嘘をつい
て、私はユウちゃんのもとへ向かった。
「ユウちゃん!」
「葵、ごめんな」
私を抱きしめる、ユウちゃん。お酒のせ
いで身体が熱い。
「葵が、欲しい」