不良にならなきゃ★始まらない?!
待ちに待った、秋祭りの日。
朝からソワソワしちゃって、落ちつかな
い。お祭りは、夕方からなのに。
午後になったら紗夜が来て、髪をアップ
してくれる。紗夜と一緒に選んだ髪飾り
には、青と黄色の、大きな流れ星が付い
ている。
メイクも、紗夜におまかせ。
「こんにちは」
紗夜だ!!
『いらっしゃい!』
「お邪魔します」
『はあい、よろしくお願いします!』
一年ぶりの浴衣に袖を通す。去年の秋祭
りは、紗夜と一緒だった。
「あーあ、琉聖くんに、一華を取られた
気分」
『そ、そんなことないよ!!紗夜の方が
好きだし』
「ほんと?!」
『もちろん!』
「きゃっ!!」
可愛いな、紗夜は。ほんと大好き!紗夜
がいないと何もできない、私。
「何気にスタイルいいよね、一華」
『え?そんなわけないし』
「ほんとよ」
『そ、そう?!』
「はい!浴衣美人、完成です!!」
『きょ、恐縮です!』
『「きゃはははは!」』
浴衣を着ると、少しだけおしとやかにな
れる気がする。
でも私の場合、気がするだけで、去年は
紗夜と浴衣ではしゃぎまくって、帰る頃
にはボロボロだった。
けど、今年はそうはいかない!