枯れ木に水を...
「あぁやば…遅刻だ」
親友、深愛に
【寝坊した】
とメールを送り
寝癖がついたまま
階段を駆け降りる
あたし
高校一年生
木之本 莉那(キノモト リナ)
『遅かったのね、今朝は』
「そうだと思うなら
起こしてよ…」
のんびりと紅茶を飲み
『あらあら』なんて
呟くお母さんを横目に
温かいココアと
少し焦げた食パンを
一気に流し込む
『そんなに急いだら
喉に詰まるわよ?』
「ん…っ…
誰のせいだと
思ってんのよ」
教科書の少ない
薄っぺらいカバンを掴み
「いってきます!!」
『気をつけてねぇ?』
猛ダッシュで
学校へと向かった