最期
夫から養育費をいくらか貰い、自分も働けばなんとかなると思っていた私の計算は、いろんな意味で間違っていたんだろう。


私は現実を思い知らされて、がっくりと肩を落とした。


そんな私を見かねたのか、彼女は私にある提案をする。


「あなたの旦那さんは、仕事ばかりで家のことを全てあなたに押し付けているけど、暴力は奮わないのよね?」


「……はい」


「帰宅も遅くなったり、出張も多いけど、浮気してる訳じゃないのよね?」


「……はい……たぶん」


「ギャンブルで金遣いが荒いみたいだけど、お給料やボーナスはきちんと家に入れてくれてるのよね?」


「……はい、一応……

そこから、お小遣いを10万渡してます」


「そう、でも、以前みたいには借金もしなくなったって言ってたわよね?」


「……はい、まあ……」


ずいぶんたくさんのことを再確認されて戸惑う私に、彼女はにっこりと笑いかけてきた。

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