阿漕荘の2人
夏の終わり 4
紫子side
「……ん」
なんや、いい夢見てたみたいな気がするけどなぁ
あれ、身体重い?
動かへんなぁ…?
うちまた太ったんかな?
ダイエットしてはるんやけど
んー
昨日のアイスが悪かったんやろうか
牧場しぼりのバニラ
アイツやな
美味かったからなー
バニラビーンズ入ってると
やっぱ美味しいんやな、全然違うやで
やっすいバニラでも
塩とオリーブオイルかけると
味、全然違うんやで
もーにも牧場しぼりにもなれるんやで
あー身体 動かないなー
ん?あれ?
身体動かないのって
重い訳じゃない……?
あれ、うち、縛られとるんやないの
なんで?
ってか、ここ何処や?
えっと、たしかパーティーに行くために
誰やったけなあ
そうそう
櫻子の婚約者のクルマに
あー婚約者ちゃうな
お兄ちゃんや
そうやったけなぁ?
「…おい!起きて!
しこ!起きろ」
「…ん、
アレ?
櫻子やないの⁈」
「ちょっと!
声デカイよ
もっとボリューム下げてよ」
「あーそや
櫻子、うちとの約束蹴って
おパーティーとは何ごとや?
どう落とし前つけてくれるんや」
「何のんきなこといってんのよ
私たち、監禁されてるのよ
状況考えなさいよ
なんであんたまで捕まるのよ
助け船だったのに」
櫻子の言葉に耳を疑う
櫻子は手と脚を縄で縛られている
そして
どうやら自分も……
「此処何処や……」
ベットの上で2人はうつ伏せになっている
「たぶん、ホテルの一室……」
「ほっほてる!
やだで、うち、そういうのは!
櫻子達2人でやってな!
うちのこと交ぜんといてや」
「……なに変なこと考えてるのよ……
違うわよ、我孫子とは
もうずいぶんと前に別れたわ」
「はあー!
なんやそれ聞いてないで」
「言ってないもの」
「なんで教えてくれへんかったの?
うちら友達やないかい」
「聞いてこなかったじゃない」
「そやけどな」
「今はとりあえず此処から逃げる術考えなきゃいけないわ」
「…これやったのって
やっぱし、我孫子くん?」
「…共犯者がいるわ
たぶんc大生……私は知らないけど」
「…なんのために」
「…別れた腹いせかしら……」
「櫻子…あんた…どんな
酷い別れ方したのや
こんな、まるでリベンジポルノや
まあ、いやらし」
「なんか、それ違くない……?
別れ方は普通だったわよ、向こうだって
あっさり引いてくれたし……」
「そやかて、なんでうちまで……」
「人数合わせじゃない?
向こうは2、3人だし、
私1人じゃものたりないのかも」
「…そんなぁ
人数合わせって、無責任なぁ」
私は櫻子を睨む
「…悪かったわ……
たしかに しこは無関係だもの……」
「……櫻子」
その時だった
奥の部屋で物音がした
何か、言い争ってる?
仲間割れかいな?
「あの部屋に犯人たちがいるわ
でも、あの部屋を出ないと
玄関までは辿りつけない」
「そや、携帯、
助けを呼ぼうや」
「馬鹿ね、そんなもの犯人が没収してるに決まってるじゃないの……
それに、この部屋、電話もないの
たぶんそれも、犯人のところに……」
「窓からでようや」
「ホテルの窓って、普通は開かないんじゃない?
それに開けたところでベランダがある訳じゃないし
飛び降りる訳にはいかないし」
「……どないしよう、
今、何時やろ……?」
「たぶん、夜中の2時頃かな」
「なんでわかるの?」
「時計があるのよ、あんたの後ろに」
うちは右横を見る
大きな柱時計だった
「…ほんとにごめんね、しこ
あんたにこんな思いさせちゃって
あんたのことは
何がなんでも逃がすから
安心して」
「そんな、何ゆうてんのや、
櫻子が悪い訳ちゃうやろ
それに祭りに誘ったうちも悪いしなぁ」
そう、祭りのために浴衣まで着て………
アレ?
うち、浴衣きとるやな?
「ねぇあんた」
「何?
お腹減ったの?」
「ちゃうわ、いくらなんでも
こな、女の人生かかってる時に
そんな呑気なことゆうかって」
「どうしたの」
「うちの袂の中に頭 突っ込めるさかい?」
「…タモト?田本?誰それ」
「袂知らんのかい!
あんたさてはエセお嬢やな?!
着物ぐらいならっとんかい!」
「…私、サラリーマンの娘なんですけど…ってか、あんた着付けできるの!」
「なんや、お嬢やないんかい
なんか名前だけごっさ派手やな
着付けぐらい誰でも出来るやろ
服着るだけやで、
言葉話す次ぐらいに覚えるで」
「…あんた、本物のお嬢様だったのね
なんか……不憫になってきた……」
「なんやとう」
「で、袂ってどこ」
「服の袖の膨らみや
その中に……」
「何があるのよ」
「カメラが入っとる」
「カメラ?!
なんでそんなトコにカメラなんて入れとくのよ!」
「あほか!
袂ってのはな、もとは小銭いれたりハンカチいれたりするために出来てんやわ
カメラもあんたと一緒に撮ろう
思って……」
「でも、カメラがあるからっていっても
何も出来ないんじゃ……」
「通信機能つきなんや
つまりな、撮った写真を登録した携帯に
送ることが出来るんや」
「……あっそっか‼︎
この部屋の写真を撮って、登録した番号に送ればいいのか!
しこ、やるじゃん!
ところで、登録した番号って?」
「…うちの携帯と実家と……
そんで……れんちゃん」
「れんちゃん?」
「隣に住む…」
「あーあの派手な可愛い子ね!
でも、あの子、女の子だよ
逆に襲われちゃうんじゃ……」
「…櫻子が会った時は女の子バージョンやったからな……」
「……ねぇ、それにただ写真送った
だけじゃ、何かあったか
気づかないんじゃない?」
「大丈夫や!
アイツは弱ちぃ身体しとるが強いやで!
なんせ、少林寺や!カンフーや!
それに、頭もええ
しこさんに何があった事ぐらい
きっと気付いてくれるで」
「かんふー?」
「さぁ!やるで、櫻子
脱出大作戦や」
「……ん」
なんや、いい夢見てたみたいな気がするけどなぁ
あれ、身体重い?
動かへんなぁ…?
うちまた太ったんかな?
ダイエットしてはるんやけど
んー
昨日のアイスが悪かったんやろうか
牧場しぼりのバニラ
アイツやな
美味かったからなー
バニラビーンズ入ってると
やっぱ美味しいんやな、全然違うやで
やっすいバニラでも
塩とオリーブオイルかけると
味、全然違うんやで
もーにも牧場しぼりにもなれるんやで
あー身体 動かないなー
ん?あれ?
身体動かないのって
重い訳じゃない……?
あれ、うち、縛られとるんやないの
なんで?
ってか、ここ何処や?
えっと、たしかパーティーに行くために
誰やったけなあ
そうそう
櫻子の婚約者のクルマに
あー婚約者ちゃうな
お兄ちゃんや
そうやったけなぁ?
「…おい!起きて!
しこ!起きろ」
「…ん、
アレ?
櫻子やないの⁈」
「ちょっと!
声デカイよ
もっとボリューム下げてよ」
「あーそや
櫻子、うちとの約束蹴って
おパーティーとは何ごとや?
どう落とし前つけてくれるんや」
「何のんきなこといってんのよ
私たち、監禁されてるのよ
状況考えなさいよ
なんであんたまで捕まるのよ
助け船だったのに」
櫻子の言葉に耳を疑う
櫻子は手と脚を縄で縛られている
そして
どうやら自分も……
「此処何処や……」
ベットの上で2人はうつ伏せになっている
「たぶん、ホテルの一室……」
「ほっほてる!
やだで、うち、そういうのは!
櫻子達2人でやってな!
うちのこと交ぜんといてや」
「……なに変なこと考えてるのよ……
違うわよ、我孫子とは
もうずいぶんと前に別れたわ」
「はあー!
なんやそれ聞いてないで」
「言ってないもの」
「なんで教えてくれへんかったの?
うちら友達やないかい」
「聞いてこなかったじゃない」
「そやけどな」
「今はとりあえず此処から逃げる術考えなきゃいけないわ」
「…これやったのって
やっぱし、我孫子くん?」
「…共犯者がいるわ
たぶんc大生……私は知らないけど」
「…なんのために」
「…別れた腹いせかしら……」
「櫻子…あんた…どんな
酷い別れ方したのや
こんな、まるでリベンジポルノや
まあ、いやらし」
「なんか、それ違くない……?
別れ方は普通だったわよ、向こうだって
あっさり引いてくれたし……」
「そやかて、なんでうちまで……」
「人数合わせじゃない?
向こうは2、3人だし、
私1人じゃものたりないのかも」
「…そんなぁ
人数合わせって、無責任なぁ」
私は櫻子を睨む
「…悪かったわ……
たしかに しこは無関係だもの……」
「……櫻子」
その時だった
奥の部屋で物音がした
何か、言い争ってる?
仲間割れかいな?
「あの部屋に犯人たちがいるわ
でも、あの部屋を出ないと
玄関までは辿りつけない」
「そや、携帯、
助けを呼ぼうや」
「馬鹿ね、そんなもの犯人が没収してるに決まってるじゃないの……
それに、この部屋、電話もないの
たぶんそれも、犯人のところに……」
「窓からでようや」
「ホテルの窓って、普通は開かないんじゃない?
それに開けたところでベランダがある訳じゃないし
飛び降りる訳にはいかないし」
「……どないしよう、
今、何時やろ……?」
「たぶん、夜中の2時頃かな」
「なんでわかるの?」
「時計があるのよ、あんたの後ろに」
うちは右横を見る
大きな柱時計だった
「…ほんとにごめんね、しこ
あんたにこんな思いさせちゃって
あんたのことは
何がなんでも逃がすから
安心して」
「そんな、何ゆうてんのや、
櫻子が悪い訳ちゃうやろ
それに祭りに誘ったうちも悪いしなぁ」
そう、祭りのために浴衣まで着て………
アレ?
うち、浴衣きとるやな?
「ねぇあんた」
「何?
お腹減ったの?」
「ちゃうわ、いくらなんでも
こな、女の人生かかってる時に
そんな呑気なことゆうかって」
「どうしたの」
「うちの袂の中に頭 突っ込めるさかい?」
「…タモト?田本?誰それ」
「袂知らんのかい!
あんたさてはエセお嬢やな?!
着物ぐらいならっとんかい!」
「…私、サラリーマンの娘なんですけど…ってか、あんた着付けできるの!」
「なんや、お嬢やないんかい
なんか名前だけごっさ派手やな
着付けぐらい誰でも出来るやろ
服着るだけやで、
言葉話す次ぐらいに覚えるで」
「…あんた、本物のお嬢様だったのね
なんか……不憫になってきた……」
「なんやとう」
「で、袂ってどこ」
「服の袖の膨らみや
その中に……」
「何があるのよ」
「カメラが入っとる」
「カメラ?!
なんでそんなトコにカメラなんて入れとくのよ!」
「あほか!
袂ってのはな、もとは小銭いれたりハンカチいれたりするために出来てんやわ
カメラもあんたと一緒に撮ろう
思って……」
「でも、カメラがあるからっていっても
何も出来ないんじゃ……」
「通信機能つきなんや
つまりな、撮った写真を登録した携帯に
送ることが出来るんや」
「……あっそっか‼︎
この部屋の写真を撮って、登録した番号に送ればいいのか!
しこ、やるじゃん!
ところで、登録した番号って?」
「…うちの携帯と実家と……
そんで……れんちゃん」
「れんちゃん?」
「隣に住む…」
「あーあの派手な可愛い子ね!
でも、あの子、女の子だよ
逆に襲われちゃうんじゃ……」
「…櫻子が会った時は女の子バージョンやったからな……」
「……ねぇ、それにただ写真送った
だけじゃ、何かあったか
気づかないんじゃない?」
「大丈夫や!
アイツは弱ちぃ身体しとるが強いやで!
なんせ、少林寺や!カンフーや!
それに、頭もええ
しこさんに何があった事ぐらい
きっと気付いてくれるで」
「かんふー?」
「さぁ!やるで、櫻子
脱出大作戦や」