阿漕荘の2人

小鳥遊くんの恋人 2

紫子side


「……とまぁ、そんなことがあってな

うちはまだ受け止められんのや

なぁ


モンスターは何処に行ければ会えるんや


長老様だけが頼りなんや」



某ファミリーレストラン


時刻は午後6時


桜花 櫻子はこの間の事件のお礼を
しようと思い


香具山 紫子と小鳥遊 練無
を食事に誘ったつもりだった

もちろん、会計は櫻子もちで

それが

なんやかんやで

紫子が練無を誘えず仕舞い

仕方なく紫子の分だけおごり


練無には何か菓子折でもと考えていた


「…まず、あんたのイニシャルはM.Kでしょ!

何処からAが出てくるのよ」

「M&Aの方がかっこええやん

マーケティング用語やんか」

「しかし、あの女装男子がね……」


「もう、うちもびっくりなんや

だって1年半一緒にいるのに

全然気付かへんやったのになぁ

うち、ほんま


情けなくてなぁ、長老」


「ってか、その長老って、なに

やめてよ、ドラクエをあんたみたいな


おとぼけが汚さないでよ」



「ことぼけ?
インターチェンジ?」


「でも、私はさぁ

あんたたち付き合ってるんだって

思ってたわ」


「あんたらって」


「あんたと女装少年」


「なっ!!ちゃうちゃう!
そんなちゃっちゃかまい言うてんなや」

「ちゃっちゃか米?

どこの米よ?」


確かに

もしも紫子と練無が付き合ってたら

紫子はすぐに櫻子に言うはずである


ということは

2人が付き合ってないのは事実


しかし


あの事件の時の練無の態度



紫子が襲われているのを見た練無


まるで人を殺しそうな目をしていた


紫子が泣いている姿を見る練無は

愛しみと悲しみ、そしてやりきれない


儚げな切なさを抱いているようだ



櫻子が思うに
練無は紫子に惚れてるんだと思っていた


しかし、


それに対して今回の件


んー腑に落ちないなー

「どうしたんや、櫻子はん

食べないなら

うちが食うで」


「ねぇ、しこ」

「なにかね」

「合コンいきましょ」

「はぁ?合コン?」


「合コンよ、あんた面倒だっていつも断ってるでしょ」

「なんでや、嫌いなんや
あーゆうの
下心丸見えじゃんか」


「今度ねz大とn大の合コンが
あるのよ」

「ん?n大?れんちゃんとこやん」

「だからよ、別に合コンだからって
男作らなくちゃいけないわけじゃないでしょ


お友達つくって

学校での女装少年の様子聞き出すよ」


「ん……でもムリやで、そんなん!

だってれんちゃん医学部だもの

医学部だけ別口やもん」


「n大はn大でも医学部との合コンよ!」

櫻子が胸を張る!!

「はぁー??

れんちゃんたち来たらどうするのそれ

気まずいやんかいな」


「あのねー、2人が付き合っているなら

来ないでしょ、合コンには

それにね、医学部とお友達になれるなんて

そうそう滅多にある機会じゃなのよ

みんな参加したいって言って来てんの

あんたは特別なんだからね!

しかも、あんな美少年と!」


「もしや
あんたが主催者か?」


「あったり前じゃなの!

この桜花 櫻子様じゃないかぎり

こんなビックイベント持ち出されるわけないじゃなの!!」


櫻子が高らかに笑うのを紫子は

呆れた様子でみる


しかし櫻子の狙いは別にあることに

紫子はまだ気づいてはいなかった






< 23 / 91 >

この作品をシェア

pagetop