阿漕荘の2人
練無side


夏の暑さが残る
9月初頭
時刻は午前11時

小鳥遊邸

小鳥遊 練無はベットに腰掛け

森川 素直は床にひいた座布団の上で胡座をかいている
彼らの間のテーブルの上では

2人の熱い激戦が繰り広げられている

「森川、そこにいくか……」


「僕が黒をここにおけば
ここが白になるから
白は左脇に置くしかなくなる…」


「ふっ甘いぜ、森川くん

まだ斜めしたの白が生きてるだろ」


そう、2人はオセロでゲーム中だ


「ぎゃあ!、うわ何それ」

練無が叫ぶ


「ここに打っちゃだめ?」

「ううん、良いけどさ……」


「困る?」

「めちゃくちゃ困る」

「じゃやめよう」

「いや、森川

手を抜いちゃダメだよ

勝負なんだから」

「そっか」

なんともまぁ平和の代名詞みたいな2人である

このような平和ボケした少年たちが
日本の医療を将来支えていくのだから

恐ろしい話だ

もっとも練無に関すれば

医者より看護師の方が似合うだろうが


「しこさん、なんだったんだろうね」


「モンスター倒しにいっちゃったね」


「モンスターって何処にいると思う?」


「洞窟の中」


「キャンプでもするのかな」

「香具山さんなら適応能力高いから

ジャングルでも生きていけるよ」


「狼少女みたいだね」


「うそついて狼に食べられる少女?」


「違うぞ、森川」



なんだか嫌な予感がする

小鳥遊 練無の午前のひととき
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