阿漕荘の2人

小鳥遊くんの恋人 4

紫子side

本日は久しぶりの香具山邸

「ほんと、しこは片付け出来ないわね」

櫻子と紫子は一緒に
有名タルト店ルピアで朝から並んで買ったケーキを食べている


どうして日本人はこうも行列が
できると

並びたくなるんだろうと紫子は考える

「しかしなぁ
合コンに服まで買わんといても
よかないの」

「ダメダメ

ほんと、しこはなんにもわかってないわね
合コンは女の戦場よ
いかに自分を美しく魅せるか
腕の鳴りどころよ」

「化けもの勝負の間違いちゃうの」


「今回は向こう側にズカ部のprinceハイド様来るってリークしてんだから」


「はぁ?何言うてますの?

うちはめっちゃ迷惑しとたんやからね

変な手紙は来るわ
つき回されるわで


ほんま、良かったのは給料だけでした!」


「悪かっわよ、まさか、あんたがあそこまで化けるとは思ってなくてね

こっちも大変なのよ

あんた出せ出せって煩いし」


「でも、今回の合コンのネタにしなくても
良かったやないか」

「あんた使うぐらいしか切り札が
無かったの
それくらい大変なのよ

医学部との合コンは」

「ん?なんで?うちが切り札になんねん」

「あんたが出る合コンを向こうが断ったら
n市内のズカ部ファンに嫌われちゃうでしょ、医学部は!

ズカ部ファンは会いたくても会えない存在なんだからね、ハイド様?」


「……なんかキモいなぁ……」

「あーもー失礼ね

別にズカ部は本気であんたの事好きなワケじゃないのよ

ただハイド様通して夢をみたいのよ」


「そのハイド様ってゆうのもなぁ」


「……いいじゃない……紫陽花の花」

「いくら、名前が紫子だからってな」

「紫陽花の君よりずっといいわよ」


冷たい紅茶が喉の奥を通っていく


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