阿漕荘の2人
練無side
「うっわー!
すっごい!このホテル!」
森川と僕は日比谷公園前の
あの鹿鳴館跡地に建てられた
帝国ホテルのエントランスに来ている
「もっと気を使った格好をすれば良かったなぁ、わざわざ東京に来たんだし」
「大丈夫だよ、
両親2人とも
僕にそっくりだから」
「なにが大丈夫なの?」
「さぁ行こう」
入り口に入ると大きなシャンデリアが
僕らを出迎えた
「絨毯もふかふかだね、脚が飛び跳ねる」
「物理的にきみが飛んでいるからね」
少し奥に進むと
喫茶店が見えた
「あーいたいた」
森川が目を凝らす
僕も森川の後ろを歩く
「やぁ、長男!久しぶりだな」
「父さん、元気そうだね」
「まぁ、そのお嬢さんがもしかして……」
森川母が聞いてきた
僕たちは席に着く
「森川 素直くんとお付き合いをさせていただいています」
「まあ、可愛らしい方ね
お名前はなんて?」
「僕の名前は小鳥遊 練無」
「たかなし?」
「小鳥が遊ぶで小鳥遊」
「小鳥が遊ぶ?
どうしてそれでタカナシ?」
「さぁ?とにかく、かくにも
小鳥遊っていいます」
「どうして?」
「鷹がいなければ小鳥が遊べるから」
「面白い方ね」
「お母さんもなかなか好奇心がある方ですね」
ウェイターがくる
森川がコーヒーを2人注文した
「ケーキも食べる?」
「ううん、僕はお腹が一杯なんだ」
「長男とはどうして知り合ったんだい?」
「プラモデル…」
「プラモデル?」
「知りませんか?模型です」
森川は
森川母と話している
「プラモデルがどうかしたのか?」
「大学の敷地でプラモデルを作ってたんです
森川くんが」
「大学の敷地?」
「そう、工学部がバーナーやチェーンとか石膏とか持ってきて
医学部の森川くんが作ってた」
「何故、長男が?」
「手先きが器用だからかな
とりあえずプラモデルを作っていて
僕が通りかかったんです
あまりに見事だったんで
僕も参加しました
塗装をしたんです」
「キミもn大生?」
「うん、僕も医学部」
「女子大生の医学部って少ないよね」
「そうですね」
「優秀だ」
「男女は関係ありませんよ」
「何を作っていたの」
「蕎麦」
「えっ!蕎麦」
「そう、しかも十割蕎麦 信州産」
「それは難しいね」
「ええ、特に信州感を出すのが」
コーヒーが運ばれてきた
僕が思うにこのコーヒーカップは
僕の1ヶ月の食費と同じくらいの金額がすると思う
「長男は小鳥遊さんのこと
どう思ってらっしゃるの?」
森川母が聞いた
、
「マリラみたい」
「マリラ?」
「赤毛のアンに出てくる妹だよ」
「どんな子?」
「理想的な妹」
両親が森川の答えに喜んだ
僕が知っているマリラは
多分
この両親より歳上だったと思う
「どうして小鳥遊さんは
ご自分のことを僕とおっしゃるの?」
「うーん、習慣だよ」
「習慣?」
「そう
僕の家は母親も父親も一人称は
『僕』なんだ
あと姉が2人いるんだけど……」
「僕 なの?」
「ううん」
「じゃあなんて?」
「俺」
森川母がくすくす笑った
その後め30分ほど会話をたのしむ
「長男と小鳥遊さんは
どこまでいったの」
「母さん!」
「まぁいいじゃないの」
いや、帝国ホテルの喫茶店で話す内容としては
どうだろうか?
「部屋によく行くよ」
「長男の」
「そう」
「まあ」
ご両親はニコニコと微笑み合う
「それでは、私たちは
帰るよ、では長男、元気で」
「小鳥遊さんも」
ご両親は伝票を持って去っていった
僕たちはまだコーヒーが残っていたので
もう少し休憩することにした
「面白い両親だね」
「どこが」
「森川のこと長男って呼ぶところ」
「あれはあだ名だよ
キミと同じで習慣だよ
家族であだ名をつけてるんだ」
「へぇ、でもあだ名というより
そういうのって役職とか立ち位置っぽくないかな?」
「ちがう、あだ名だ」
「なんで?」
「だって、僕は次男だ」
「………まさか」
「母さんも父さんも
実は性別は逆だ」
「………まいったよ」
「うっわー!
すっごい!このホテル!」
森川と僕は日比谷公園前の
あの鹿鳴館跡地に建てられた
帝国ホテルのエントランスに来ている
「もっと気を使った格好をすれば良かったなぁ、わざわざ東京に来たんだし」
「大丈夫だよ、
両親2人とも
僕にそっくりだから」
「なにが大丈夫なの?」
「さぁ行こう」
入り口に入ると大きなシャンデリアが
僕らを出迎えた
「絨毯もふかふかだね、脚が飛び跳ねる」
「物理的にきみが飛んでいるからね」
少し奥に進むと
喫茶店が見えた
「あーいたいた」
森川が目を凝らす
僕も森川の後ろを歩く
「やぁ、長男!久しぶりだな」
「父さん、元気そうだね」
「まぁ、そのお嬢さんがもしかして……」
森川母が聞いてきた
僕たちは席に着く
「森川 素直くんとお付き合いをさせていただいています」
「まあ、可愛らしい方ね
お名前はなんて?」
「僕の名前は小鳥遊 練無」
「たかなし?」
「小鳥が遊ぶで小鳥遊」
「小鳥が遊ぶ?
どうしてそれでタカナシ?」
「さぁ?とにかく、かくにも
小鳥遊っていいます」
「どうして?」
「鷹がいなければ小鳥が遊べるから」
「面白い方ね」
「お母さんもなかなか好奇心がある方ですね」
ウェイターがくる
森川がコーヒーを2人注文した
「ケーキも食べる?」
「ううん、僕はお腹が一杯なんだ」
「長男とはどうして知り合ったんだい?」
「プラモデル…」
「プラモデル?」
「知りませんか?模型です」
森川は
森川母と話している
「プラモデルがどうかしたのか?」
「大学の敷地でプラモデルを作ってたんです
森川くんが」
「大学の敷地?」
「そう、工学部がバーナーやチェーンとか石膏とか持ってきて
医学部の森川くんが作ってた」
「何故、長男が?」
「手先きが器用だからかな
とりあえずプラモデルを作っていて
僕が通りかかったんです
あまりに見事だったんで
僕も参加しました
塗装をしたんです」
「キミもn大生?」
「うん、僕も医学部」
「女子大生の医学部って少ないよね」
「そうですね」
「優秀だ」
「男女は関係ありませんよ」
「何を作っていたの」
「蕎麦」
「えっ!蕎麦」
「そう、しかも十割蕎麦 信州産」
「それは難しいね」
「ええ、特に信州感を出すのが」
コーヒーが運ばれてきた
僕が思うにこのコーヒーカップは
僕の1ヶ月の食費と同じくらいの金額がすると思う
「長男は小鳥遊さんのこと
どう思ってらっしゃるの?」
森川母が聞いた
、
「マリラみたい」
「マリラ?」
「赤毛のアンに出てくる妹だよ」
「どんな子?」
「理想的な妹」
両親が森川の答えに喜んだ
僕が知っているマリラは
多分
この両親より歳上だったと思う
「どうして小鳥遊さんは
ご自分のことを僕とおっしゃるの?」
「うーん、習慣だよ」
「習慣?」
「そう
僕の家は母親も父親も一人称は
『僕』なんだ
あと姉が2人いるんだけど……」
「僕 なの?」
「ううん」
「じゃあなんて?」
「俺」
森川母がくすくす笑った
その後め30分ほど会話をたのしむ
「長男と小鳥遊さんは
どこまでいったの」
「母さん!」
「まぁいいじゃないの」
いや、帝国ホテルの喫茶店で話す内容としては
どうだろうか?
「部屋によく行くよ」
「長男の」
「そう」
「まあ」
ご両親はニコニコと微笑み合う
「それでは、私たちは
帰るよ、では長男、元気で」
「小鳥遊さんも」
ご両親は伝票を持って去っていった
僕たちはまだコーヒーが残っていたので
もう少し休憩することにした
「面白い両親だね」
「どこが」
「森川のこと長男って呼ぶところ」
「あれはあだ名だよ
キミと同じで習慣だよ
家族であだ名をつけてるんだ」
「へぇ、でもあだ名というより
そういうのって役職とか立ち位置っぽくないかな?」
「ちがう、あだ名だ」
「なんで?」
「だって、僕は次男だ」
「………まさか」
「母さんも父さんも
実は性別は逆だ」
「………まいったよ」