阿漕荘の2人

聖カトレシア学園 8

紫子side

練無たちと別れたあとに
彼女は理事会館にむかった

聖カトレシア学園の理事会は
幼稚舎 舎長
小等部 部長
中学部 部長
高等部 部長
そして理事会トップ
この学園の最高権力者である理事長
の5名からなっている


しかし、この中でも理事長は
大きなイベントがある時にしか顔を出さず
謎の多い人物とされてきた

ーコンコン

「失礼します
香具山 紫子です」

紫子はドアを開ける

薄暗い室内の中で窓を背にして座っている
黒スーツの男

聖カトレシア学園 理事長

天王寺 茂

「やぁ、待っていたよ、
かの有名な黒バラ姫」

天王寺がイスから立ち上がる

天王寺 茂は身長185㎝の大柄
黒の長髪で首の後ろでひとつ縛り

年齢は不詳だがよわい50過ぎというところ

その謎の風貌と計り知れない経済力から
学園内外から恐れられている

「久しぶりやな

天王寺のおっちゃん」


「君は相変わらずだね、黒バラ姫」

「君をここに呼んだ理由は

………分かっているよね」


「もちろんですよ、おっちゃん」

紫子は天王寺に微笑みかけ

机に手を掛ける


「うちは黒バラ姫

白バラ姫の相方やないか」

「君の目的はわかっているよ

黒バラ姫」

「………あんたらが何をしてきたか

うちはお見通しやで」

「どうやら、ネズミが

この学園に迷いこんだようだね」


「どっちが………」


「君も着替えなさい

パーティーの始まりだ」

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