阿漕荘の2人
練無side

ここは何処だろう

どうしたんだっけ、僕は

そう、たしか清見さんと話していて

眠くなったんだった

うーん


頭痛いなー


なんで、眠くなったんだろう?


何故あんなに急に……

急に?


急すぎるよな………


睡眠薬?


清見さんは二階堂さんに睡眠薬を

仕掛けたって言ってたもんな………


僕にも………


いつだろう…………


あー食事か、簡単じゃないか………


でも、何故?



「ねぇ、起きた?」

「あー、おはよう

二階堂さん、大丈夫?」


「ええ、私はね」


「ここはどこかな?」


先ほどとは違う小さな部屋だった


僕らが寝かされていたソファとテーブルのみ


「ここは、舞踏会の会場

イベント会館の控え室」

「今は何時?」


「午後6時過ぎ」


「えっ!!そんな時間!!

舞踏会は?」

「もう始まってる」

「急がなきゃ!」


「そうね、でも、待って」

「どうしたの」

「何故、清見がこんなことを………」

「………わからない、

あのさ

ずっと思ってたけど

この学園なんかおかしいよ」

「……確かに

今は何か変だ」

「ねぇ、みんなして

何を隠しているの?」


「清見がおかしい………」

「清見さん?」

「そもそも、清見は執行部の部長

つまり、生徒の中で一番偉い

この学祭でも、一番忙しい

…………なのに、貴方たちに

つきっきり…………」


言われてみれば確かにおかしい

この学祭が生徒だけで動いているなら

代表の清見が学園を離れるわけには

いかないし

そもそも


どうして、僕らを眠らせたんだ

清見さんは信じろと言ったけど…………


「…………黒バラ姫」


「しこさんがどうかしたの?」


「何故、黒バラ姫は戻った?」


「えっ?呼ばれたって言ってたよ」

「誰に?」

「学園に」

「それ、本当?」

「そうだよ」

「…………黒バラ姫が危ない」

「しこさんが?」

「うん、命を狙われる」

「………なぜ?」

「黒バラ姫は理事長から」

「理事長?」

「理事長をしらない?」

「知らないよ」

「この学園で最も危険」

「理事長が?」

「そう」

「何を奪ったの」

「理事長の大事な仮面………」

「仮面?あれは景品でしょ?」

「違う!

あれは、理事長のもの」


「どうして、しこさんが

仮面なんか………」


「仮面は素顔を隠す」


「えっ?」

「時間だ、あそこに白のスーツがある

着替えろ」

二階堂 りんが衣装棚を指差した


< 47 / 91 >

この作品をシェア

pagetop