阿漕荘の2人
紫子side

ードンドンっー

ドアを誰かが叩いてる

「しこさーん
ねぇ、どうしたの、ねぇ
開けるよー‼︎」

「あーまってえーな
今、開けるさかいな

鍵しまっとるんよー」

鍵をがちゃりと開けた

可愛らしいパジャマ姿の小鳥遊 練無や

「れんちゃーんやー
ほんま怖かったんよー
助けてよー‼︎」

「えっどうしたの?
何かあったの?
中、入るよ」

断る暇もなくれんちゃんは部屋の中に入ってきた
正直、れんちゃんを部屋に入れたくなかった

えっいや、夜中に男いれるの怖いとか
そういう可愛らしい理由やなくて……


「ちょ、しこさん

また汚して!!
どうしてこんなに無駄なものばっかりあるの!!


この間、片付けてあげたじゃないの‼︎」


そう、部屋が汚いから入れたくなかったんだ

それに比べてれんちゃんの部屋はいつも綺麗だから
ついつい、いつもれんちゃんの何処に
お邪魔してしまうんやな


「んー

整理整頓難しいんやな、また手伝ってーな?

そんなことよりこれ見てーな」

れんちゃんにDVDのパッケージを差し出す

「……真夏の大特集 あなたを襲うゾッとする映像 100連発……」

「このDVDみてたんやけど
ホンマ、ゾッとするってか
鳥肌たつっつか
怖くてなー

なぁ、れんちゃん、一緒に観よ?
お願いや」

ここで、すかさず
かわい子ぶりっこポーズ……


って出来るわけないやろ!

「これで、さっき叫んだの?」
「うん」
「僕、すっごく心配したんだよ」
「うん」
「変質者でも入ってきたんじゃないかって」
「うん」
「しこさん、襲われてるんじゃないかって」
「うん」
「……『うん』じゃないでしょ!
今、何時?!
10時過ぎてんだよ、
おじいちゃん、おばあちゃんだって此処に住んでるんだよ!

もう、、迷惑なんだから!」



「…ごめんな……
ホンマに、確かにれんちゃんのゆう通りやな……

身勝手やったな……自分

もっと他の人のこと、考えないといけへんな

でもな、れんちゃんが心配してくれたの

嬉しかったんやで」


「…しこさん……
わかってくれたんならもういいよ」

「ありがとうな‼︎‼︎

持つべきものは友達やな‼︎

そういえば、れんちゃん?」


「ん、なに?」

「ちょいと来るの遅くなかった?
うちがゆうのも変やけど……?」

「えっ……」


あれっ???
なんや、れんちゃん、目背けたぞ

あれ??
なんかへんやないの、
どうして、そっぽ向くん?
「……お風呂……そう、お風呂入ってて
遅くなったんだよ

流石に真っ裸でしこさんの何処に駆けつけたら
僕が通報されちゃうよ

まずいでしょ、それは」

なんやれんちゃん、目ー合わせてくれへんな

「それ、ホンマの話かいな?」

「ホンマ、ホンマ!
そのままんま!

ホンマのまんまだよ!
明石家さんま!」


………なんか怪しいな、れんちゃん……


「しこさん、そんなことより
DVD観よーよ!

僕、全然、こーいうの怖くないんだ!

医学部だし、人の死体は見慣れてるし!


頼れる助っ人の登場さぁ!」


んー
れんちゃん、機嫌いいんみたいだし

まぁ、いいか。


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