今日の空は何色?
ヒナタとレイ。
2人は中学校の時に付き合った。
告白したのはあのヒナタ。
一目惚れだったみたいだ。
何ヶ月経ってもヒナタもレイもお互いを愛し[仲睦まじい]という言葉がぴったりのカップルだった
でもレイはそんなに目立った子ではなく
どちらかと言うと地味な子だった。
でも笑った顔はヒマワリみたいに明るく
それがヒナタを惚れさせたらしい。
でも、ヒナタはその時も学校で1番モテていたと言っても過言ではない。
女子のリーダー格的なグループのヤツも好きだったみたいだ。
それなのに自分たちより地味なレイがヒナタと付き合うなんて彼女たちの面目丸つぶれだったんだろう。
彼女たちはレイに嫌がらせをするようになった。
それはだんだんとエスカレートしていって
それでもレイはヒナタと別れようなんてしなかったし、ヒナタの前ではいつも笑顔でいた。
階段の踊り場。
「あんた、いい加減別れてよ。」
「いや」
「ッチ。本当目障り。消えろ」
消えろの言葉と同時に彼女たちはレイを階段から突き落とした。
俺は部活の顧問を呼びに行こうとしていたところで叫び声を聞いた
急いで声のする方へ行くと
レイが倒れていた
「おい!!!大丈夫か! 」
階段を見上げるとコソコソ声が聞こえ、
その声は去って行った。
保健室へ連れていく。
軽い捻挫と打撲だったみたいだ。
安心した。
ベットの傍の椅子に座っているとレイが目を覚ました。
「大丈夫か?」
「…アオイくん…」
「お前、辛いならヒナタに言えよ」
「ダメ!!!」
いつもおとなしい彼女が声を荒げた
「ヒナタ君には言わないで。お願い。私のせいで心配かけたくないの。大好きなの。辛いし、痛いけど、これに耐えるしかないの。ヒナタくんが私を好きでいてくれる代償だよ。 」
切ない笑顔で彼女は空を見上げていた。
その目には、何かが映ったように感じた。
決心のような。
なにか。
ガラガラッー
「レイ!!!!!!」
大声でヒナタが慌てて入ってきた。
「ヒナタくん 」
レイの笑顔はみるみる優しくなり
本当に好きなんだなと感じた。
「レイどうしたんだよ?!」
「ちょっとね、階段から落ちちゃったの」
もちろん本当のことなんていうはずはなかった。