今日の空は何色?




レイへの嫌がらせはそれ以降終わることはなく



「別れないならヒナタくんに手を出す」


と彼女たちは言い出した。




それを誰よりも嫌がっていたレイはヒナタと距離を置くようになった





「れーい♡」

ヒナタがレイに寄り添っても

「ごめん、用事あるから帰るね」

そうやって避けていた




ヒナタは拗ねてしまい



「なぁ〜アオイ〜レイに俺嫌われちゃったのかな〜」




なんてずっと聞いてくる



「そんなわけないだろ、ちゃんと信じろ。」

わけをなんとなく悟った俺はずっとそう言ってきた。



でもヒナタは我慢ならなくなってしまったのか
女の子とよく絡むようになった



そんなヒナタをレイは悲しげな瞳で見つめる。





「みんな大好きだよ〜」

ヒナタを囲む女の子のうち1人がヒナタの頬にキスをした



それがヒナタの何かを吹っ切れさせてしまったのか


周りに人が沢山いるのにもかかわらず



2人は熱いキスを交わした。





ガシャン-




何かが落ちる音。




最悪な状況。




レイはその瞬間を見てしまった。




でもヒナタは気づくことなくレイはその場を立ち去った。







その日の夜、レイは自殺を図った。





あの小さな身体で背負ってきたたくさんのものをおろしたかったのだろう。





幸い死なずにすんだ。





この一連の流れを知った時、ヒナタは自分を責めた。






そして病室へむかう。




「レイ、俺、気づけてやんなくてゴメンな」





いつもなら彼女は笑顔で
「いいんだよ」

なんて言ったのだろうか



でもその時の彼女は違った。


「ヒナタとは一緒にいたくない。限界」


と乾いた目でそう言ったらしい。




それからレイは引っ越した。




もちろんヒナタも俺も見送りに行った。




レイは俺には「ありがとう」


と深くお辞儀をしたけれど

ヒナタとは目を合わせようとしなかった。




< 13 / 85 >

この作品をシェア

pagetop