今日の空は何色?
「水野くん、ちょっといい?」
みんなで写真を撮ったあの日
俺たちは一緒に帰っていた
「なんだよ」
「あのさ、俺、いうなって言われてたし、
言うつもりもなかったんだけど、やっぱり言おうと思って…」
「あーじれったいな早く言いなよ」
「ソラちゃん、ガンなんだ」
頭が真っ白になった
何も考えられなくて嗚咽がこぼれた
「ソラちゃんは水野くんのことをいつも一番に考えてる、自分の体が悲鳴をあげてる今、この瞬間も。
それで水野くんが出てった時にみんなに
水野君とは別れて俺と付き合ってる設定にしたいって言ったんだ。」
「…なんで」
「ソラちゃんが死んだ時に水野くんの悲しむ顔が見たくないんだって
私のことを嫌いになってくれてた時にいなくなった方が楽だろうって。
黙っててねって念を押されたけど、
俺は黙っておくべきじゃないと思った。
これからソラちゃんはどんどん弱っていく
どう支えていくかは水野くん次第だけど
ソラちゃんを笑顔にできるのは水野くんだけだよ。」
生まれてきてからこんなに泣いたのは初めてじゃないだろうか
大切な人を失うリアルな実感。
急すぎる本当の別れ。
俺はあの時に離さないって決めたのに。
無常にも2人は無理やり引き裂かれてしまう
冷たい風は俺に容赦なく吹きかける。